NEWS

日中新聞 人民日報 2011年4月15日版に関連記事が掲載されました。



新聞

幹細胞療法の普及と臨床応用(日本語翻訳版)

幹細胞は自己複製、そして様々な細胞に分化できる潜在能力を持っている。一定の条件であれば、すべての臓器や組織は、臓器・組織ごとにそれぞれの元となる細胞であり、医療分野では俗に“万能細胞”と呼ぶ。最近、幹細胞再生の特徴を生かして、主に2つの治療効果を特に期待されている。

第一、
神経系疾患の再生。神経細胞は増殖能力を持っていないので、老化或いは、神経損傷の後に、元の生理機能を保つことはかなり困難である。しかし、幹細胞の分化や多量培養により投入し、失った機能がある程度改善可能と期待されている。現在、臨床研究の段階ではあるが、脳脊椎疾患、包括脳梗塞、半身不随、うつ病、老年痴呆症に対する治療が行われている。

第二、
造血幹細胞の自家移植。人間の造血系障害或いは白血球、赤血球など大量に破壊された場合、免疫力が低下し、貧血、そして白血病になる可能性がある。治療方法として、従来の骨髄移植、臍帯血移植よりも、「拒絶反応」を避けるため、患者自身の脂肪から幹細胞の分離に成功した。これにより治療効果が期待できる。そして、特別培養から大量増殖された幹細胞を、静脈などを経由して行う自家移植治療が開発された。

また、幹細胞は再生医療として、様々な難病に症状の改善或いは機能回復効果が期待されている。現在、日本の厚生労働省の調査では、腎臓病、劇症肝炎、心筋症、難治性の皮膚病を含めて約130種類を難病と指定した。そして糖尿病、癌、勃起障害(ED)等でも幹細胞の治療による再生効果や老化防止が期待される。最近、特に美容外科では幹細胞の特徴を利用し、豊胸術の進化に期待をしている。

幹細胞の臨床応用については、採取された少量の脂肪から幹細胞を分離し、培養により大幅増幅した幹細胞を再び患者の体に投入(約5000万個)する。安全になお且つ効率よく幹細胞を培養するのは最大の難関であった。しかし最近、幹細胞培養について新しい研究成果が得られた。簡単に言うと従来の血清を加えた培養は未成熟であり、無血清培養が可能となった。

また、難病など苦しんでいる患者の為に、幹細胞医療を正しく深く理解する必要があると考える、民間の推進団体(NPO法人日本幹細胞医療研究機構)等が組織され活動を開始している。今後、日本在住の中国人社会だけではなく、中国国内を含めて世界中への情報発信の活動も推進して行く予定である。

医学博士 徐 弘民
2011年4月6日
会員募集はこちら " 採用情報

関連リンク等

順不同

"